中国で2017年3月にリリースされたスマホ版ラグナロクオンラインが、2018年1月の韓国サービスの開始に先駆け、韓国のゲーム展覧会「G-Star 2017」に出展されました。
同行を追っている4gamerの該当記事を読むと、どうやらスマホ版でありながらしっかりと「ラグナロク」な様子。
日本でサービスを開始する可能性もあるとのことで、ちょちょいと調べてみると、なかなかに日本人受けしそうなMMOアプリなんですよね。
「ちゃんとした」MMO
そもそもスマホ版ROがどんなゲームなのかと言えば、「ちゃんとしたスマホ版MMO」。
「G-Star 2017」の試遊台で4gamerの記者がプレイしているのを見る限り、マグナムブレイクでポリンを範囲狩りするような普通のMMOなんですよね。
▲懐かしさすら感じる
3Dにこそなってるものの、まさにヌルヌル動くRO。
感動を覚えるとともに、「今更コレをスマホでやるの?」という感情が芽生えることも否定できません。
日本展開の可能性もアリ
で、このラグナロクMobile、どうやら日本展開の可能性も示唆しているようで。
あくまで「井戸端の噂」程度ですけど。
なんだか諦めきれずに,ウロウロしてそのへんの人を捕まえたり,同じようにウロウロしてた中国の違う会社の人を捕まえて話をしていたら……「スマホ版ROは日本でもサービスする予定があるらしいよ。そのへんのことを決めるのはGravityさんらしいけど」とのこと。
公式での深い言及はされていないものの、日本展開について否定をするコメントも無し。
現実的な線としては、十分ありえるのかな、と。
また,いつの日か,日本のラグナロクファンに向けて,本作をプレイしていただける機会が来たら嬉しいなと思っています。
日本人がスマホMMOに求めているもの
さて、このROモバイルが日本へ上陸したとして、流行するのか否か。
言い換えれば、日本人はスマホMMOに何を求めているのか。
これは、今現在流行しているMMORPGを参考にするべきでしょう。
で、今日本でアツいMMO筆頭と言えば、やはり「リネージュ2 レボリューション」。
このリネレボは、他のスマホMMOと比べて、何が違うのか。
あいにくリネレボ2をやりこんでいる訳ではないので、ここからは攻略サイトを見ての憶測にはなりますが、
- コミュニケーション
- アイテムトレード
- オートプレイ
の3つではないかな、と思っています。
逆に、「他プレイヤーとの差別化」はあまり必要としていない様子。
コミュニケーション
まず1つ目は、プレイヤー間のコミュニケーション。
MMORPGの醍醐味とも言える代物ですが、スマホではここが疎かになっているアプリも多いです。
そんな中、リネレボは「チャット」や「血盟システム」などの充実を図っており、コミュニケーションが取り安い環境にあると感じます。
最近は、MMOでなくともチャット機能が付いたゲームも増えてきましたね。
アイテムトレード
個人的に大きいのではないか、と考えているのが、プレイヤー間のアイテムトレード機能。
パソコン版以上に複数アカウントを取得しやすいからか、はたまたガチャを回させるためかは判りませんが、スマホMMOには「プレイヤー間のアイテム取引」ができるタイトルって少ないんですよね。
そんな中、リネレボは「取引所」という機能を用いることで、プレイヤー間取引が可能。
顔を合わせてのトレードこそできないものの、相場を見た取引の楽しさはあるのかな、と。
オートプレイ
スマホでプレイするからには、オートプレイによるお手軽育成も必要不可欠でしょう。
PCではほぼ見られない、「戦闘力」という総合的な強さを表すステータスもありますし、「放置による数値上昇」というクッキークリッカー的な楽しさを求めているプレイヤーも多いはずです。
ビルド考えて、ステータス振って、なんて事を考えるなら、PC版のMMOをやる方が多いのかも。
そう考えると、スマホアプリはMMOまで行っても「ソシャゲ」なのかな、という印象ですね。
「他プレイヤーとの差別化」は不要
どうも、スマホアプリのMMOをプレイしている層は、そこまで「他プレイヤーとの差別化」を求めてはいないように思えます。
変なビルドでドヤったりだとかは特になく、むしろ面倒臭いステ振りなんかは勝手にやってくれ、みたいな。
リネレボにも「スキルツリー」は存在するものの、SPが無限に入手できる仕様であるため、最終的には全員同じスキル構成になるみたい。
複数キャラを役割別に育てる、というよりは、1キャラに手間をつぎ込めるゲームが人気に見えますね。
ラグナロクMobileは全て持ち合わせている
さて、ラグナロクMobileに視線を戻すと、リネレボを例に挙げた「日本人がスマホMMOに求めているもの」を、見事に全て持ち合わせているんです。
コミュニケーションはギルドやMVP狩りで必要ですし、アイテム取引所も存在。
当然オートプレイもあります。
ギルドシステムやMVP狩り
まず、ギルドシステムなどでコミュニケーションが取りやすくなっているほか、MVPボスなどの存在により、コミュニケーションがゲーム内で明確なメリットをもたらします。
とはいえ、後述の「取引所」システムにより、ソロ専プレイヤーでも詰むことはありません。
通貨に価値をもたらす交易所システム
ラグナロクMobileには、プレイヤー間でアイテムを取引できる「交易所」が存在しています。
リネレボ同様、顔をつき合わせての取引こそできないものの、様々なアイテムをプレイヤー間で売買可能です。
交易所は本家の露店と異なり、全サーバーの統一価格で物品を売買するというもの。時価の算出式は謎だが、特にレアドロップや、素材として需要が高いものは交易所で高く設定されている。
販売価格が、ゲーム内存在数などから自動で算出された「相場」で決定されるため、売買タイミングの駆け引きには薄い反面、「Zeny」と呼ばれる通常のゲーム内通貨で取引を行えるので、Zenyへ価値を持たせることに成功しています。
というかそもそも、課金して入手できるのもZenyなので、「課金通貨」という線引きが存在していない、らしい。
課金:公式RMT。すなわちZenyを個別課金で購入するシステム。
リネレボは価格を自由にきめられるものの、課金通貨でしか取引できないため、通常のお金の価値が著しく低いんですよね。
レベルや戦闘力のほかに、「お金稼ぎ」という新たな楽しみが生まれるので、日本人受けは良さそう。
簡単なオート戦闘あり
特定のモンスターを殴り続けるだけの、簡単なオート戦闘機能も存在。
右下の「自动」コマンドをタップすると付近のMOB一覧が出現する。その中から攻撃したい対象を一つ選ぶと、自动技能にセットしてあるスキルを用いて攻撃をし続ける。
なお、対象を倒した場合も、付近に同名のMOBがいると攻撃を続ける為、放置狩りに最適。
しっかりと戦闘スキルも使用するため、狩り効率としては悪くないはず。
カード掘りなどが楽になる反面、オートで倒せるような敵の収集品は、軒並み少し相場が安くなるのかな、という印象です。
懸念点はふたつ
ただ、日本でのサービスにあたって、2つだけ懸念点が存在します。
それが、
- ステータス振りの自由度
- 疲労度システムの存在
です。
自分でステータスを振れる
ラグナロクMobileの育成システムは、ステータスポイントに応じて自分でステータスを上げる「ステ振り」と呼ばれるものです。本家ROを踏襲した形ですね。
一切の制約なくステータスをいじれるので、筋肉をひたすら鍛えた「殴りプリースト」といったネタビルドだって簡単に作れます。
反面「最適」とされるステータス振りがわかりにくく、お手軽なゲームを求められ易いスマホというプラットフォームだと、日本では受け入れられにくいのではないか、とも考えられます。
一応、ゲーム内通貨を利用してステータスのリセットは可能なので、ステ振りで詰むということは無いはずですが……。
疲労度システムの存在
ラグナロクMobileには、「疲労度」というシステムが存在しています。
どうやら、最高効率でプレイできるのは300分程度までで、どれだけ粘っても900分までしかプレイできない様子。
プレイ基本無料。その代わり疲労度が設定され、1日あたり300分~最大900分までしかプレイ出来ない。
疲労度合いに合わせてEXPやドロップ率が変動する仕様。
普通に考えれば、スマホで1日300分も同じゲームはプレイしませんが、MMOともなれば話は別。
会話に華が咲いたり、端末が空いたときにちょっとオートで放置しようものなら超過してしまうでしょう。
仮に300分使い切らなかったとしても、疲労上限が制限時間として可視化できてしまうため、精神的な圧力になるようにも思えます。
時間で減少されちゃうと、ソシャゲでよくある「スタミナ」とはワケが違うような。
台湾では大人気
以上、スマホ版のラグナロクオンラインが面白そうなんだけど?というお話でした。
ちなみに、2017年10月12日、つい最近リリースされた台湾版のラグナロクMobileは大層な人気のようで。
そもそも、ストアのゲームランキングでリネレボが1位を独占するレベルの「スマホMMO大国」な台湾。
そんな台湾のストアにおいて、リリースから24時間後にGooglePlayでは2位、AppStoreにおいてはリネレボを差し置いて1位へ上り詰めるほどユーザーが集まっているのです。
▲「ラグナロクオンライン」が台湾で好調な滑り出し。 – 4Gamer.net より
リリース初期とはいえ、ストア内評価も圧倒的な高さを誇っているスマホ版RO。
僕は期待できるタイトルだと思っていますが、いかがでしょうか?