保毛尾田保毛男。
2017年9月末、「とんねるずのみなさんのおかげでした。」が30周年記念として開催された特別番組にて、物議をかもしたキャラクターです。
▲はてなではこんな記事がバズってました
まぁ賛否両論あるということは、当然抗議の声が製作サイドに飛んで行きまくる訳で。
賛より否の方が原動力になりますから、これは仕方ない。
で、向こうも商売でやっている以上、否の声が多いようであれば何かしらのアクションが必要で。
フジテレビが10/15(月)、正式な謝罪文を提示したのですが、どうも僕には違和感がぬぐえないんですよねぇ。というお話。
フジテレビが謝罪
否定的な意見が多く、ネットでも物議をかもした保毛尾田保毛男事件。
ジェンダー関連には寛容になった現代日本で、そりゃ炎上もするわ……ってことでフジテレビも謝罪せざるを得なかった訳ですが、その謝罪文がコレ。
お詫び
平成29年9月28日(木)に放送した「とんねるずのみなさんのおかげでした30周年記念SP」において、出演者が「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」というキャラクターに扮して出演致しました。しかしながら番組の放送に伴い、このキャラクターに関して沢山の抗議を頂戴しました。
番組は、LGBT等性的少数者の方々を揶揄する意図を持って制作はしておりませんでしたが、「ホモ」という言葉は男性同性愛者に対する蔑称であるとのご指摘を頂きました。そのような単語を安易に使用し、男性同性愛者を嘲笑すると誤解されかねない表現をしたことで、性的少数者の方々をはじめ沢山の視聴者の皆様がご不快になったことに関して、深くお詫び致します。またこのキャラクターが長年に渡り与えていた印象、子供たちへの影響、およびLGBT等をとりまく制度改正や社会状況について私共の認識が極めて不十分であったことを深く反省しております。
今回頂戴した様々なお叱りやご意見を真摯に受け止め、多様性(ダイバーシティ)のある社会の実現のために正しい知識を身に着け、より良い番組作りを進めて参りたいと考えております。以上
とんねるずのみなさんのおかげでした公式サイトより(2017/10/16)
概要としては
- 「ホモ」って単語は差別用語だったわ、すまん
- 同性愛者を嘲笑したつもりは無かったんや
- これまで傷ついていた奴もおったんやろな、ほんま堪忍な
ってことなんですが、えっと、あの、そこなの?
「ホモ」って単語を使っていたことに怒ってたの?
ネタへの仕方に怒ったんだと思ってた
物議をかもした「保毛尾田保毛男」ですが、個人的にも確かに嫌悪感はありました。
が、僕が感じた嫌悪感は「ホモ」という単語ではなく、少し古いステレオタイプな偏見を前面に押し出すことによる、同性愛者を弄るような笑いの方向性だったんですよね。
なんか、めちゃくちゃ下手な素人弄りを見ているような気持ち悪さがあったというか。
コンプレックスをほじくって、イジってると勘違いしているような。
しかもその結果、性に関する考え方の固まっていない児童の、同性愛者を差別するような思想を煽るのではないか、という懸念とかね。
ただ、世間が怒りを向けた対象は、どうやらそこではないみたいで。
「ホモ」という単語に関する謝罪が結論となっている、ということは、「ホモ」という単語についてのバッシングが多かった、ということでしょう。
ミッツ・マングローブのコラムが的を射てる
この件に関して、個人的にはミッツ・マングローブ氏のコラムが的を射てる気がします。
フジテレビの謝罪をあった上で、ミッツ・マングローブ氏が執筆した、週間朝日のコラム。
ぶっちゃけ、週刊誌っぽい炎上狙いの過激なタイトルだし、内容も自分の環境を棚に上げている節もある。そういう意味はあまり好きではない。……んですけど、この中の一文は、考えさせられる内容でした。
『ホモやオカマはNGでゲイやオネエはOK』なんて、いったい誰がいつ決めたことなのか? 「あの人“こっち”らしいよ」と手を口の横で裏返すジェスチャーや、オネエが出るとひとつ覚えのように『カーマは気まぐれ』をBGMにする演出はよくて、何故『保毛男』ちゃんはダメなのか?
いや、ほんとに。
ネタにできるような社会になると良いよね
結局、ホモがネタになって、それが需要があって、それに否定的な意見も生まれて。
これって、やっぱりまだまだ「同性愛は特殊なモノ」だという意識を持っている訳じゃないですか。
例えば薄毛だとか、肥満だとかをイジる人間はそんなにいなくて。
でも、自分からネタにすると皆が乗っかって面白くなったりして。
同姓愛もそんな扱いが自然とできる社会になると良いよね、なんて門外漢は思うのでした。