2017年10月、今更になって「ニュートンと林檎の樹」をプレイしました。
結論から言えばめっちゃ面白くて、こういう「面白い」を優先したゲームを作るメーカーって、案外少ないよなぁ、と。
誤解を恐れずに消費者様目線で述べさせていただくのであれば、ラプラシアンは、ブランド買いに耐えうるメーカーのようで一安心です。
あ、R指定のゲームに関する記事ですので、すけべなコンテンツが極度に苦手な方はブラウザバックしていただけると幸いです。
記事内にエロとネタバレは無し。
目次
「ニュートンと林檎の樹」とは
ニュートンと林檎の樹は、2017年の5月に新鋭メーカー「Laplacian」発売されたアダルト向けADVゲーム。
300年前にタイムスリップした男女が、ニュートンと万有引力を見つけたり見つけなかったりする話です。
公式から発表されている略称は「ニューリン」。
正式名称の文字数も多いため、この記事でも「ニューリン」と呼称させていただきます。
ニューリンの印象
まず、ニューリンのプレイにおいて強く印象に残った部分から。
ざっと挙げると、
1 | 「面白さ」の追求 |
---|---|
2 | ブログに応用できる構成 |
3 | 判りやすい選択肢 |
4 | 印象的なラビルート |
5 | 賛否両論ありそうな謎ラップ |
6 | ご都合主義 |
の6つですね。
シナリオを読み進めるうえで、スケベなシーンは「そこで情事があった」という事実のみが大切になっているため、ctrlキーでスキップしてしまって問題ありませんでした。
結局エロシーン見てねぇや。すまん。
とにかく「面白い」作品
ニューリン公式サイトより引用
全ルート攻略後、ニュートンと林檎の樹を一言で表すなら「面白い」。
なんなら、面白さを追求するあまり、細かい事を気にしていない。
公式キャッチコピーの
「難しい事はあまり考えない!コミカル・タイムトラベル」
はまさにゲームを体言しています。
ジャンルとしては恐らく「SF」に該当するのですが、これをSFと称するとガチのSF勢に怒られちゃいますね。
攻めの姿勢だからこそ
で、「難しい事をあまり考えない」ってスゴいことなんです。特に「あまり」ってところ。
企業であれば、風評被害を恐れて保身のSF寄せに走ってもおかしくないんですよ。
当然、製作会社の中でもそういったお話は出ていたと思うのですが、それでもなお、「これが一番面白い」と考えたからそのまま提供してくれた。
売れる作品と面白い作品が、必ずしも同一とは限りませんからね。
え?同人でやれ?
うるせぇ!
科学を好きな人はやめとけ
ただ、科学に精通している人はプレイしないほうがいいと思います。
あと、「ニュートン」という人物に強い情を覚えていたり、当時の科学者を取り巻く環境に思う所があったりする人も。
僕みたいな一般人が感じる突っ込みどころが、あなたにはそのまま不快感として大きくのしかかるはず。
あ、筋は通っているので、物語や心証に対する突っ込みどころは少ないと思います。一般ピープルは安心。
構成からは学ぶ点も
さて、前置きはこの程度にして、早速ニューリンをプレイ。
個人的に、物語の構成から学ぶ点があったのは収穫でした。
入り方としては、
- 印象的な出来事ドーン!
- 回想ファサー!
- 冒頭の印象的な出来事へつなげる!
という、いわば「普通」の入り方。
ただ、ギャルゲーそのものへ久しぶりに触れた身としては、ちょっと思うところもありました。
これってまさに、結論から述べるってやつなんですよね。
文章について調べていると、やれどこでも「結論から書け」と口すっぱく言われる訳ですが、これは物語についても例外ではないのだな、と。
活字は何処へ行っても活字のようで、ちょっと感動。
判りやすい選択肢
ニューリンゲーム内より引用
「ゲーム性は不要」と言わんばかりの判りやすい選択肢は、ニューリンのプレイしやすさに直結していた気がします。
ルート分岐などに関わる重要な選択肢は、大変判りやすい選択肢となっています。
しょーもない選択肢もあるにはあるのですが、しょうもない小話のフラグにしかなっていないので気楽にどうぞ。
▲しょーもない選択肢の例|ゲーム内より引用
ただ、選択肢が判りやすいからこそ、選ぶのは若干ツラいかも。
良くも悪くも主人公≠自分なので、安全圏からキャラクターを振り回してる感じがして、少し良心が痛むというか。
印象的なラビルート
ニューリン公式サイトより引用
ニューリンの攻略可能なキャラクターにラビ・ジエールなる方がいらっしゃるのですが、まぁこの方のルートが印象的。
ギャルゲー的にこれを「攻略」と言っていいものか否か。
このシナリオを基点に、物語が1つの転機を迎えます。
ADVゲームでしかできない伏線の張りかたも、個人的には革新的でした。
全キャラのルートが絡み合ってるのも、結構オシャレです。
余韻を次ルートに持ち込みたい
ただ、この「ラビルートの余韻」を残したままどこまで進めるか、も重要になってくるので、何も考えずに即!次のルートをプレイしてほしいところ。
「EDだしキリ良いっしょ」と油断してはいけません。
ラビルートのEDムービー後、タイトルに戻った瞬間こそが、ニューリンにおいて最もキリの悪い瞬間なのです。
▲「はじめから」押下RTA
また、ラビルートに関しては2~3周してみるのを強くオススメ。
2周目、3周目を含めて、ようやくラビルートの攻略が完了します。
全ルートクリア後が頃合いでしょうか。
賛否両論ありそうな謎ラップ
ニューリンでは、「よくわからんラップムービー」が劇中で挿入されます。
しかも全キャラ。
コストのかかるムービーは、OPやED、そして重要なシーンでこそ使うもの。
そんな常識を打ち破り、よくわからないところでよくわからない映像が流れます。
Laplasianの前作「キミトユメミシ」で唐突に挿入した時雨Dictionaryが好評だったため、二匹目のドジョウを狙ったのでしょう。
▲キミユメでは唐突にコレが流れて話題になった
唐突に挿入される下ネタ映像、そして実はえげつない伏線になっている巧妙さ。
その辺絡めての評判だったので、予告されてたラップ映像は、まぁ、うん。別に。
うん。
あ、ラップの後ろで流れてる曲は全部格好良かったです。音楽良いね。
ご都合主義
「ニューリンにおける印象」の最後に持ってきてはしまいましたが、まさにこの「ご都合主義」こそが全てを表しています。
……詳しく書くと、ネタバレもネタバレなんで避けます。
が、恐らく、シナリオライターまたはそれに近しいところへ「ご都合主義者」が居るはず。
キミトユメミシの時も感じていましたが、ニューリンでその予想は確信へと変わりました。
ぶっちゃけ、ご都合主義が苦手な人はプレイするべきではありません。
文学的なつじつまや、カタルシスを求めている方がニューリンへ下す評価は「クソゲー」でしょう。
が、ご都合主義を許容できる方ならば、間違いなく楽しめる作品です。
ご都合主義でも、この世に産み落としてしまったキャラクターを幸せにするのが作家の務めじゃね?派としては、クリア後のおまけもとにかく救われる「蛇足」でした。
本編で書ききられていない点が、蛇足をしっかり引き立てています。
蛇足を引き立てるってなんだ。
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合う合わないは公式WEBサイトで
と、合う合わないが強く出そうな癖のあるゲーム「ニュートンと林檎の樹」。
あなたがこのゲームに合っているかどうかは、ずばり「公式WEBサイト」を閲覧すれば、すぐ判ります。
特にキャラクター紹介。とりあえず、全キャラに目を通してください。
⇒ キャラクター紹介|ニュートンと林檎の樹 Laplacian 2nd Project
▲エロは無いけど18禁/怒られたら消します
この「担当」という極限の悪ふざけをどう捉えるかで、おおよそLaplasian適性が判ります。
好意的に受け入れられれば、キミユメ含めてメーカー買いを推奨。
「しね」という感情しか思い浮かばないのであれば、忘れましょう。
そのお金で焼肉でも食べに行きましょう。
プレイしてよかった
ニューリンゲーム内より引用
以上、ニューリンを僕がプレイした感じた6の事柄でした。
ニューリンに出会えてよかった。
ニューリンをプレイできてよかった。
そう言える程度には、楽しませていただきました。ご馳走様です。
手放しに人へオススメできるか?と言われればまぁ、できないんですけどね!
あ、クリア後は「おまけ」のチェックを忘れずにね。