普通のパソコンと比べて、特にグラフィック面でハイスペックな「ゲーミングPC」。最高の環境でゲームをするなら、外せないゲーミングアイテムです。
家庭用ゲーム機と比べても圧倒的なスペックを誇り、実は世界で「ビデオゲーム」と言えば、パソコンでやるものだという認識が主流だったり。
そんなゲーミングPCは、日本でもEスポーツの普及とともに浸透しつつあります。
そこでこの記事では、ゲーミングPCと普通のPCの違いやゲーミングPCを選ぶポイント、初心者・中級者向けのオススメモデルについてご紹介します。
目次
普通のパソコンと比べてハイスペック
ゲーミングPCは、よく家庭で使われる一般的なパソコンと比べて、全体的な性能が高いパソコン。
特に、グラフィック性能を左右する「ビデオカード」と、全体的な処理を司る「CPU」は、他PCの追従を許しません。
ただ、逆に言えば「超高性能なパソコン」というだけ。実は、一般的なパソコンとゲーミングPCに、構造上の違いはありません。
最大の違いはビデオカード
モデル | 搭載ビデオカード | 性能スコア |
---|---|---|
GALLERIA XF | GeForce RTX2070 |
871 |
MacBook Pro 2018年上位モデル |
Intel UHD Graphics 630 |
49 |
約18倍のグラフィック性能
ゲーミングPCと一般的なパソコンの最大の違いは、ずばり「ビデオカード」と呼ばれるパーツの性能。
ソフトから送られてきた情報を元に、データを画像として画面に表示するビデオカードは、画面情報がめまぐるしく変化するビデオゲームにおいて最重要パーツです。
ゲームに限らず、ソフトウェアからハードウェアに送られる情報は全て「数字」で表されているので、それを画面へ画像・映像として表示するには、強大な演算速度が必要となるのです。
CPUも高性能な傾向
モデル | 搭載CPU | 性能スコア |
---|---|---|
GALLERIA XF | Core i7-9700K 3.6GHz * 8コア |
17,386 |
MacBook Pro 2018年上位モデル |
Core i7-8850H 2.6 GHz * 6コア |
15,354 |
MacBookProの上位モデルよりも高性能
ゲーミングPCは、CPUと呼ばれるパーツの性能にも、一切妥協がありません。
CPUとは、パソコンの全体的な演算処理を司る、よく「脳」に例えられるパーツ。
パソコンの処理は100%全てが数字の計算で行われているので、CPU性能が高ければ高いほど、全ての処理が高速になります。
計算が速い上に、CPUコア(並行に繋がれた脳)の数も多いので、難しい処理も複数の処理も素早く行えるのがゲーミングPCなのです。
動画編集者(Youtuber)にもおすすめ
ゲーミングPCは、ゲーマーにはもちろんのこと、Youtuberなどの動画編集者にもおすすめなパソコンです。
動画の編集やエンコードも、ゲームに負けず劣らずパソコンに負担がかかる処理。動画を編集したことのある方なら、パソコンフリーズの経験は1度や2度ではすまないはず。
ゲーミングPCであれば、そんなエンコード・編集の読み込み時間も大幅に削減されます。
その分の時間をネタ探しに使うもよし、動画のクオリティアップにささげるもよし。
構造上の違いは無い
特別扱いされることの多い「ゲーミングPC」ですが、通常のPCと構造上の違いはありません。
ケースやパーツ自体の形は違えど、市販されているWindowsPCやMacbookなどと同じシステムで稼動しています。
もちろん、購入すればMicrosoftOfficeなども稼動しますし、Windowsのアップデートも可能です。
自作よりBTOの方が安い
ゲーミングPCは、主に「自作PC」と「BTO(セミオーダー)」にわかれています。
自作の方が手間がかかる分安い!……のは10年前くらいまでのこと。
様々な企業がゲーミングPCを販売している昨今、価格競争で実はBTOの方が安く購入できるんですよね。
10年程度の自作経験がある著者でも、今使っているのはドスパラから発売されているゲーミングPC「GALLERIA」の型落ち品です。中古で買ったやつ。
大事なパーツだけ新品に変えた
BTO=セミオーダーパソコン
BTOパソコンとはBuild To Orderの略で、「受注生産」を意味します。
既製パソコンより詳細にパーツ構成(メモリ・ハードディスクなど)をカスタマイズすることが可能です。予算や用途などのご希望に応じて自由に選べるのが魅力です。引用元: ドスパラ公式サイト
BTOというのは[Build To Order]の頭文字をとった略称で、「オーダーにあわせて構築したパソコン」という意味。
つまりはセミオーダー品です。
今主流の販売形式で、元になるモデルを購入者が選んだあと、パーツのアップグレードやダウングレードで性能・価格の調整を細かく行えます。
10年前と比べて価格競争が進んだ
ゲーミングPCは、Eスポーツの発展とともに、著しく価格競争が進んだ分野。
同じようなスペックのPCが他社から安く発売されたら、当然自社も値段を下げるしかありません。
数多のゲーミングPCメーカーがそのような競争を繰り広げた結果、パーツ単品でそれぞれ購入してくみ上げるより、安い値段で完成品を買えるようになってしまいました。
ゲーミングPCメーカーはPCパーツ屋も兼業していることが多く、パーツ自体は卸値で手に入るからこその値段設定ですね。
店側としては、パーツのまとめ売りをしているような感覚でしょう。
自作のメリットは今や「好きなパーツを好きなように使える」ってだけ
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ゲーミングPCの選び方・ポイント
ゲーミングPCを購入するなら、宗教的な理由でも無い限りは「デスクトップ」型のパソコンを購入しましょう。
また、実は「最高スペック」ではなく、その1~2モデル下の「中途半端スペック」品が最も高コスパモデルです。
色々試した感じでは、やはりケースは大きければ大きいほど良いと思います。
最近のゲームは平気で50GBとかあるので、石油王でも無い限りは「SSD+HDD」の両搭載モデルを買うべきでしょう。
デスクトップPCを強く推奨
とにもかくにも、ゲーミングPCを買うならデスクトップPCを強く推奨。
デスクトップPCとは、モニタやキーボード・マウスを外付けする、大きな箱型のパソコンです。
デスクトップは同性能のノートと比べて安価で手に入るほか、性能が物足りなくなったあとも簡単に性能を増強させられます。
ノートPC(ラップトップ)は値段が高い
ノート型のPCは、同性能のデスクトップ型PCと比べて、販売価格が高額です。
実はパソコンパーツって「ノート用」と「デスクトップ用」にわかれているのですが、パーツ単体で見れば自作需要のある「デスクトップ用」の方が良く売れるんです。
よく売れると、いっぱい生産するので、単純にパーツ価格もデスクトップ用の方が安価。
ゲームでは「同時押し数の多いキーボード」やら「リフレッシュレートの高いモニタ」やらを使うので、結局モニタやキーボードが外付けになると考えれば、ノート型ゲーミングPCを買う理由は殆どありません。
持ち運ぶ必要のある(自分の部屋がない)人におすすめするくらい
ノートPCは壊れやすく拡張性が乏しい
デスクトップPCは、簡単にスペックを向上させられるのも嬉しい点。
特に、ゲームで重要な「ビデオカード」は差し込むだけなので、ネジの緩め方が判る小学生以上の方であればアップグレードできると思います。
ノートパソコンの場合、そもそも拡張用のビデオカードが一般のお店では販売されていないため、性能が物足りなくなったら丸ごと買い換えなければなりません。
熱がこもりやすく壊れやすいのもノートの難
高すぎないモデルを選ぶ
ゲーミングPCに限らず、パソコンを買う際には、最高級モデルのちょい下を選ぶのがおすすめ。
もちろん、最高級モデルを買ってもらったほうが販売店も著者も儲かるんですけど、ここはどうしても嘘をつけません。
理由は単純で、パソコンのパーツって、性能が2倍になると4倍くらい高くなるんですよ。
PCパーツは二次関数的に高くなる
パソコンを構成するパーツは、どれも最高級のものだけやけに高額です。
そのくせ、重要であるビデオカードは技術革新の速度も速く、1年前に10万円だったパーツが今の3万円パーツに性能負けしたりすることも。
そのPCを長く使う場合でも、長く使うからこそ、最高級モデルのちょい下モデルを買うのがおすすめです。
可能な限りケースが大きいものを選ぶ
ゲーミングPCのケースは、設置場所が許す限り、大きなものを選ぶのがおすすめ。
大きければ大きいほどメンテナンスが簡単になりますし、空気の通り道が増えてパーツが冷えやすくなります。
ゲームは、他のソフトウェアとは違い、パソコンに大きな負担をかけるソフトウェア。
その分いっぱい熱が発生するので、熱に弱いパーツから守ってあげる必要があるのです。
新パーツの増設・バージョンアップもデカいほうが楽
SSDとHDDを両搭載してるモデルがおすすめ
メリット | デメリット | |
---|---|---|
SSD | ・読みこみ/書きこみが速い ・衝撃に強い |
・値段が高い ・寿命が短い |
HDD | ・値段が安い ・寿命が長い |
・読み書きに時間がかかる ・衝撃にめっちゃ弱い |
ゲーミングPCは、ストレージ(記憶部分)に「SSD」と「HDD」を両方搭載しているモデルがおすすめ。
確かにSSDへゲームをインストールした方がロードは圧倒的に短くなるのですが、その分HDDと比べて容量あたりの値段が高くなってしまうんですよね。
例えば、今一番売れているSSD「MX500 CT500MX500SSD1/JP」は、500GBで8,564円。
対して、2019年2月に発売されたANTHEMは50GBほどでしたので、1つのタイトルをインストールする度に、約850円のコストがかかってしまいます。
とはいえ、SSDの高速読み込みも捨てがたい。
ということで、両方搭載しているモデルを購入し、Windowsなどのシステムデータや小さいゲームだけをSSDにインストールする使い方がおすすめ。
HDDなら同価格で8倍くらいのデータを保存できます
おすすめのゲーミングPCメーカー・モデル
いくら選び方がわかったところで、やはり初心者にはどのゲーミングPCを買えばいいのか判りにくいハズ。
そこで、自作暦のあるゲーマーの著者から見て、おすすめできるゲーミングPCメーカーと、その売れ筋モデルをまとめてみました。
ずばりおすすめは「GALLERIA(ガレリア)」と「G-Tune(ジーチューン)」。
GALLERIA(ドスパラ)
GALLERIAは「ドスパラ」というパーツショップが運営する、ゲーミングPCのBTOブランド。
「パソコンメーカー」ではなく「PCパーツの小売店」が販売しているため、メンテナンスやアップグレードで必要な品を、購入したショップで買えてしまうのが最大のメリット。
また、市場に出回るような自作勢向けの高品質パーツを多く使っているのも特徴で、安く自作PCを組んでもらうようなイメージに近いです。
他のゲーミングPCと比べて、購入後のポイントを有効に使いやすく、結果として額面以上にコストパフォーマンスも○。
もちろんパソコン自体も安価・高品質で、実際に今著者が使っているのもGALLERIAです。
GALLERIAの売れ筋モデル
モデル名 | 価格 | 公式満足度 | 備考 |
---|---|---|---|
GALLERIA XF | 179,980 円 | 4.5 | 高級気味 |
GALLERIA XT 1060 | 129,980 円 | 4.5 | マイクラ同梱版 |
GALLERIA ZG | 229,980 円 | 4.5 | 高級気味 |
2019年、記事執筆時の売れ筋モデルは、大抵のゲームを最高設定でプレイできそうなハイエンドモデル2台とマインクラフト同梱版1台。
ゲーミングPCを購入するなら、ということで高価格モデルの売れ行きが良い傾向にありますが、個人的にはやはり「中くらいの値段」のモデルがおすすめです。
70万とかのモデルは絶対やめとけ
著者が選ぶなら「GALLERIA XV」
モデル名 | GALLERIA XV |
---|---|
価格 | 149,980 円 |
公式満足度 | 5 (満点) |
CPU | Core i7-8700 |
ビデオカード | GeForce RTX2060 6GB |
メモリ | 8GB DDR4 SDRAM |
データストレージ | 500GB SSD + 1TB HDD |
GALLERIAの中で著者が購入するなら、ずばり「GALLERIA XV」を選びます。
これは、売れ筋ランキング2位の「GALLERIA XT 1060」のビデオカードを、2万円分高品質にしたもの。この2万円だけで3年は戦えます。
XVは、搭載されている「RTX2060」というグラボがとにかくコスパに優れているのが何よりの特徴。2060は最新規格のミドルレンジ帯ビデオカードです。
規格の最適化により最新ゲームを最高設定でプレイできるほどの性能を持ちながら、価格は中の下程度で購入でき、現状最もコスパの良いグラボと言っても過言ではありません。
パーツ屋店員にもとりあえずおすすめされる系グラボ
G-Tune(マウスコンピューター)
G-Tuneは、今最も人気のあるゲーミングPCブランド。
運営元は「マウスコンピューター」という廉価パソコンを販売するメーカーで、G-Tuneのコスパの良さも折り紙つきです。
執筆現在、ゲーミングPCジャンルで売り上げ1位を誇る「NEXTGEAR-MICRO」を筆頭に、購入者の満足度が非常に高いのも特徴。
価格.comでは、ゲーミングPC満足度ランキングの上位5機種のうち、3機種がこのG-Tuneのものです。
G-Tuneの売れ筋モデル
モデル名 | 価格 | 公式満足度 | 備考 |
---|---|---|---|
NEXTGEAR i690GA4 | 199,800 円 | – | ゲームバンドル付き |
NEXTGEAR i690PA3-SP | 229,800 円 | – | 15周年記念モデル |
NEXTGEAR i690GA2 | 149,800 円 | – | 入門向けモデル |
G-TuneのゲーミングPCは、どれも拡張性の高い「NEXTGEAR」シリーズが売れ筋にランクイン。
特に「NEXTGEAR i690GA2」は個人的にオススメできるモデルでもあります。
RTX2060と同程度の性能を持つ「XT 1070」(ただし最新規格ではない)を搭載しつつ「ほどほどパーツ」で固めた、手堅い高コスパモデルですね。
ただ、グラボの性能が少し低いうえ、SSDの容量が240GBにも関わらず、GALLERIAXVと同価格と考えると……といった印象もぬぐえないのが正直なところ。
G-Tuneは小型PCも充実しているので、大きいPCの置き場所が無い方におすすめできるメーカー、という印象です。
コスパはGALLERIAの方が上ですね
工場直販のアウトレット販売イベントもある
G-Tuneを運営しているマウスコンピューターでは、定期的に工場直販のアウトレットセールも行われています。
例えば2018年7月のセールでは、40万円超えの最高級ゲーミングPCが135,000円で販売されていました。
どんなPCショップで購入するよりも圧倒的に安価でゲーミングPCを入手できるので、飯山工場近くにお住まいの方は狙ってみるのも一興。
整理券配布が開催5日前から行われる修羅セール