11月12日に発売されることが発表されたPS5。

コストパフォーマンスが高い、安すぎる……などと騒がれていますが、ぶっちゃけどこがどう安いのかは判りづらい。

さらにいえばプレステが好きすぎる人や嫌いすぎる人の意見は偏っていて参考にならんし……っつーことで、ゲームはPCだよ派の著者が簡単にまとめてみました。

わかる範囲での詳細なスペックと、相応品をパソコンとして手に入れようとした場合の価格などから、客観的にPS5のコスパを紐解きます。

ぼく

結論から言うとちょー安かった

【PS5】マシンスペック早見表

CPU AMD Zen 2
8コア/ 16 スレッド
最大3.5GHz(定格2.5GHzくらい?)
GPU 最大10.28 TFLOPs/2.23GHz
36ブロック(コンピュートユニット)
メモリはシステムと共有
レイ・トレーシング対応
Custom RDNA 2 アーキテクチャ
※RDNA 2 とは別物
メモリ 16GB GDDR6
448GB/s
システム/グラフィック共用
SSD 825GB
転送速度 5.5GB/秒
ストレージ拡張 NVMe SSD スロット
恐らくPCI Express 4.0×4
※PS4ゲームに限り、USB接続での拡張HDDにも対応
光学ドライブ Ultra HD Blu-ray (66G/100G)~10xCAV
BD-ROM(25G/50G)~8xCAV
BD-R/RE(25G/50G)~8xCAV
DVD ~3.2xCLV
※ドライブ搭載モデルのみ
お値段 【光学ドライブあり】49,980円
【光学ドライブなし】39,980円

【CPU】ゲーム特化の高コスパカスタム品

メーカー AMD
アーキテクチャ Zen2
コア数 8
スレッド数 16
クロック 最大3.5GHz
お値段 28,000円くらいなら売れそう

まず話題になっているCPU。やっぱ時代はAMDよな。

Zen2(第三世代)アーキテクチャ、8コア16スレッド、クロック周波数3.5GHz……ということで、パッと見『Ryzen 7 3700X』相当品に見えるのですが、重要なのは提示クロックが最大値である点。

先述の品は定格こそ3.6GHzで近いものに見えますが、きゃつの最大動作クロック周波数は4.4GHz。Zen2アーキテクチャのモデルは、おおむね定格より1GHz近いマージンを取って製造されているようです。

逆に考えれば、パソコン用CPUに置き換えて、無理やり「定格」というものを考えるなら2.5~2.8GHz相当の品。

並列処理の強さはそのままに、ゲームには不要なスレッドあたりのクロック数を落としたカスタムモデルで、個人用の販売はされていません

クロックにどれだけのコストがかかっているのか不明ですし、価格を明言するのは非常に難しいパーツですが、2万円台なら結構皆さん買っちゃう気がする感じのヤツ。

ぼく

巷でたまに見る「4万円相当」ってのはデカい勘違いです。でもまごうことなき2020年の最新CPU。イイモノだと思います。

【GPU】Radeon RX 5700相当品?

メーカー AMD
アーキテクチャ Custom RDNA 2
最大クロック 2.23GHz
最大FLOP 10.28 TFLOPs
CUs 36ブロック
備考 レイ・トレーシング対応
お値段 40,000円くらい?

話題としてCPUと双璧を成すのがビデオチップ。

AMD製でコンピュートユニットが36基、システムと共用しているメモリがGDDR6……ということで、最も近しいのは『Radeon RX 5700』かなと。

アーキテクチャは「Custom RDNA 2」の名を冠してこそいるものの、RDNA 2 とは全くの別物とのこと。

完全な妄想ではありますが、RDNAをゲーム用にレイトレーシングに対応させて「Custom RDNA 2」と謳っているのかもしれません。

仮にそうだとすると、PS5発表時のRadeon RX 5700は4万円相当の品。最大クロックの数字を信じるなら、スペック面はそこからさらに上昇しており、市場価格は5万円を下らないスペックになっています。

ただ、そもそもAMD製のビデオチップに割高感があるのは事実。

個人が入手する場合、Nvidiaの相当品ならもっと安く買えるんじゃねーの?というのが正直なところ。

内部パーツをAMD製で固めることで、仕入れ価格を相当抑えているのでしょう。

ちなみにレイトレーシングはシステムとして対応するだけで、当然処理はチップで演算します。ガンガン使っちゃうとスペックが足りない可能性も。

ぼく

いわゆる「ミドルレンジ帯」と呼ばれるチップ。もっと上もあるけど、まぁいいんじゃね?くらいの性能でコスパに優れるとこ。

【メモリ】イイモノだけど容量不足

規格 GDDR6
容量 16GB
転送速度 448GB/s
お値段 3,000円くらい
(差額/DDR4相当)

メモリはグラフィック用の最新エントリー規格、『GDDR6』のものをシステムとグラフィックで共有する形。

ここが恐らくPS5のボトルネックで、かつ非常に大きな足かせになっていると思います。

「GDDR」は一般的なメモリ規格「DDR」とは完全に別物の、グラフィックボード向けメモリ規格(graphicのg)。

システムメモリとはくらべものにならないデータ転送量となることから、DDRよりもはるかに高速での通信を可能としています。

ただ、肝心の容量はグラフィック・システム共用でたったの16GB

たとえば、FF15を通常のグラフィック品質でプレイしても、システムだけで16GB近いメモリ使用量です。

これからテクスチャが細かくなり、マップが広くなり……というゲームの進化を経るにつれて、16GBでは収まりきらないデータを使うことになるかも。

そこで待っているのは「プチフリーズ」か「テクスチャ劣化」のどちらかですので、『対応はしてるけど真価を体験するにはPCが必要なゲーム』はそのうち出てきてしまう気がします。

通信速度速いんで、プチフリ自体はめっちゃプチになるはずですけど。

ぼく

1GBあたりの値段は現行のDDR4よりGDDR6のが多分上。共用させることで無駄なく使う……みたいな意図はわかるしコスト的に限界なんだろうけど、画面の美しさで売るならあと8GBくらいはやっぱほしいかも。

【SSD】環境最速レベルかつ容量も及第点

容量 825GB
通信速度 5.5GB/秒(ほんと?)
接続規格 PCI Express 4.0×4
お値段 20,000円くらい

PS5スペックのうち、こっそり(でもない?)えげつないのがストレージのSSD。

通信速度「5.5GB/s」はPCI Express 4.0による接続で初めて可能になったもので、発表時だとIntel製のチップセットでは対応すらしていません

ぼく

Intelチップセットだと3だか4だかGB/sが理論値

CPUにAMDのZen2アーキテクチャを採用したうえで、ちょっとマザーボードを奮発しないと達成できない境地。

当然速度はパーソナル向けのものとして最速で、そうなるとお値段もお高めです。

1TBのものが2万円ちょっとしますので、パソコンとして同等品を組もうと思うと、これだけで予算の半分が吹き飛びます

ストレージの拡張性も〇

また、PS5は別途拡張用としてNVMeのSSDスロットも用意。

多少お値段は張るものの、速いSSDを買って挿すだけで拡張できるのは嬉しいところではないかなと。

本体に搭載されているのがPCI Express 4.0×4のもののはずなので、拡張スロットも4.0を使えるはず。

単純計算では9万円相当の品

CPU 28,000 円相当
GPU 40,000 円相当
メモリ 3,000 円相当
SSD 20,000 円相当
合計 91,000 円相当
実売価格 39,980 円 (ドライブなしモデル)
49,980 円 (ドライブありモデル)

パーツごとのざっくり価格計算を合算すると、PS5は光学ドライブ非搭載モデルでさえ90,000円相当の品になるのかなと。

いわゆる『ゲーミングPC』にギリギリ足がかかっているような、絶妙なスペックに仕上がっています。

ただ、本当に相当品をPCとして組む場合、ビデオチップはNvidiaのRTX2060やGTX1080を買う気もしなくはありません。

そうなるとざっくり合算から10,000円引きくらいでしょうか。

とはいえそれでもPCとしては80,000円相当、実売価格がその半額の40,000円ってんだから非常にコストパフォーマンスに優れているのは間違いありません。

ぼく

Windowsインストールさせてくれって感じ。これでコントローラとか付いてくるんだよね?

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実際はカタログスペック以上の性能を発揮

以上、発表されたPS5のコスパをざっくり紐解いてみた話でした。

ちなみに、PS5用のソフトは、当然PS5での動作を想定して開発されます。

どんなパーツでも動くPC用ゲームと異なり、動作環境がはっきりしていますので、ソフトウェアの方もハードに最適化されるはず。

全ての性能をギリギリまで引き出せますから、同性能のPCでゲームをする場合よりも、さらに快適なゲームプレイは間違いありません。

購入を迷っているなら買っちゃっても後悔しない性能にはなっているでしょう。

ぼく

PCと比べても、当分大きな規格落ちはしないと思うよこれ