今回は、コンテンツSEOで口すっぱく言われている「良いコンテンツだけでは上位表示できない」件について。
何をいまさら、といった感じですが、丁度いい実例が目に入ったので、言語化してみました。
コンテンツを取り巻く環境が重要
コンテンツSEOにおいて重要なのは、「良いコンテンツ」よりも、むしろそのコンテンツを取り巻く環境にあります。
同じドメインにある他コンテンツの質や関連性だとか、単純な記事タイトルやサイトデザインとか。
当然、コンテンツにも最低限の質は必要ですが、その他部分の後押しがなければ上位表示は難しいでしょう。
……さて、何故、いまさら周知の事実を記事にしたか、といえば、ちょうど挙げやすい実例を見つけてしまったから。
実例:カレ眠のプレスリリース
カレ眠の記事を書くにあたり、カレ眠の事前情報を調べていた時です。
⇒ ワコールの乙女ゲームが変な人気?イケメンと乳について語り合うノンアダルトアプリゲーム
公式から持ってこれる情報は一通り抑えて、シメに「カレ眠」というキーワードでGoogle検索をかけていた時、4gamerの記事が上位にヒットしました。
⇒ ワコールの恋愛SLG「カレ眠★ワタシがカレと乳眠する理由」が9月3日に配信決定 – 4Gamer.net
「知らない情報があるかもしれない」。
そんな思いを胸に見てみると、なんということでしょう。
最初から最後まで公式のリリース文をそのままコピペしただけの記事なのです。
▲完全に同文
ですが、4gamerの記事が2位に位置しているのに対して、オリジナルのサイトは圏外も圏外。
なんなら、先ほど挙げたうちの記事より下。
そもそもインデックスされていないのかな?と思ったのですが、site:検索をするとヒットはする。
となれば、SEO的観点から敗北を喫しているんですよね。
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理由を考えてみる
ここで終わるのは簡単ですが、せっかくなので、理由も考えてみましょう。
さて、ぱっと見て思い浮かぶ可能性としては、
- 他記事との関連性
- 記事タイトル
- 見出しタグ
でしょうか。
他記事との関連性
まずは、他コンテンツとの関連性について。
ワコール公式の記事は、当然ながら女性下着や女性向けコラムが豊富な媒体にアップされている記事です。
転じて、4gamerの記事は、ゲーマー向けバイラルメディアに掲載されています。
「カレ眠」という単語から、「ゲーム」という関連キーワードをGoogleのAIが見つけているならば、他コンテンツがゲームに寄っている4gamerが有利になります。
記事タイトル
次に気になるのが、記事タイトル。
原文のタイトルが、
ワコール発の恋愛シミュレーションゲーム、睡眠の日9月3日に公開!『カレ眠★ワタシがカレと乳眠する理由』~豪華声優陣が勢揃いの、ドキドキの「入眠」×「乳眠」儀式とは!?~ | 最新トピックス | ワコールニュース&トピックス
まぁ、正気の沙汰ではございません。
descriptionに書くような内容を、まるまるタイトルにしちゃってる。長すぎ。
……と一蹴するのは簡単なのですが、注目すべきは「カレ眠」というキーワードが一応入っている点。
公式ドメイン、かつ「カレ眠」というキーワードがあったうえで検索にひっかからない、という現実。
つまりは、
- タイトルでは、先に出てくるキーワードの方が力を発揮する
- タイトルが長すぎると、キーワードとしての力が分散する
というロジックの裏付けとなります。
事実、「ワコール 恋愛シミュレーションゲーム」で検索すると、該当記事が1位に……出ない!ねとらぼに負けてる!!
▲検索エンジン用のタイトルが適当すぎて思わず笑顔
見出しタグ
最後に気になるのは、やはり見出しの<h1>タグ。
ワードプレスなんかを用いたメディアでは、記事タイトルをh1にそのまま入れるのが一般的で、SEOでも効果があるとされています。お手軽だしね。
事実、4gamerでは「ワコールの恋愛SLG「カレ眠★ワタシがカレと乳眠する理由」が9月3日に配信決定」を大見出しに持ってきたうえで、煽り文を中見出し、からの本文という記事構成。
▲無難につよそう
転じてワコール公式がどうか、というと、なんとも男らしい「最新トピックス」の7文字。
ちょっとSEO担当呼んでこい。
……と最初は思ったのですが、「最新トピックス」はあくまで段落を表す<p>タグで囲まれており、<h1>はしっかり
ワコール発の恋愛シミュレーションゲーム、睡眠の日9月3日に公開!『カレ眠★ワタシがカレと乳眠する理由』~豪華声優陣が勢揃いの、ドキドキの「入眠」×「乳眠」儀式とは!?~
になっている様子。
今回はあんまり関係無さそう?
一応「<h1>の前に<p>は使わないほうがいいかも」くらいの認識でしょうか。
コンテンツとドメインは相当強い
これだけの粗がありながら、「ワコール 恋愛シミュレーション」で上位に出てくるということは、コンテンツとドメインが非常に強いのでしょう。
でありながら、肝心のゲームタイトル「カレ眠」で圏外。
後からインデックスされたであろう、全く同じコンテンツに上位を明け渡す始末。
コンテンツSEOでは環境整備こそが重要だということを再認識した出来事でした。
……っつーか、コピペ記事でも競合によっては上位取れるのね。問答無用で圏外かと思ってたよ。すげーな4gamer。