By Wae35244 – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link
どうも、久しくしょうぶ湯には入っていません、hkmです。
さて、本日5月5日は端午の節句。
端午の節句における慣習も色々ありますが、その中の1つにしょうぶ湯ってありますよね。
このしょうぶ、漢字で書くと菖蒲なんですけど、これって「あやめ」とも読んだりして。
今回は、この「しょうぶ」と「あやめ」の関係に迫ります。
菖蒲は「しょうぶ」であり「あやめ」である
さて、しょうぶを表す漢字である「菖蒲」。
これって「あやめ」とも読むんです。
同じ漢字を使うなら、さも植物学的に近かったり、見た目が酷似してたりするだろー!なんて思うんですけど、まあ、全く別物なんですよね。
しょうぶはショウブ目ショウブ科
しょうぶは、最も新しい分類体系である「APG体系」において、ショウブ目ショウブ科の単子葉植物。
単子葉植物というのは、その名の通り子葉が単葉のものを指します。
子葉ってのは、最初に生える葉っぱのこと。あさがおの双葉みたいな。
で、昔はサトイモ目サトイモ科で、サトイモの仲間として扱われていましたが、よく調べたら「サトイモともちげーな」っつって、ショウブ目の名を与えられた植物です。
葉っぱの見た目は皆さんお馴染み、細長い葉が幾重にも重なっているもの。
花の見た目は緑色のヤングコーンみたいになっちょります。
By J.F. Gaffard, Autoreille, France – photo J.F. Gaffard, Autoreille, France, mai 2004,, CC BY-SA 3.0, Link
ちなみに、「ショウブ」で検索しても、賢いグーグル先生が
ショウブ⇒菖蒲⇒アヤメ
と勝手に脳内変換しやがりまして、アヤメの花しか出てきません。
ショウブの花の画像が必要な場合は、学名である「Acorus calamus」で検索する必要があります。そんな場合そうそう無いけど。
ちなみに、ショウブと名乗りながら美しい花を咲かせる「花菖蒲 (はなしょうぶ)」という植物がありますが、あれはアヤメ科の植物なので、どっちかっつーとアヤメです。
ややこしいかよ。
あやめはキジカクシ目アヤメ科
転じて、あやめはキジカクシ目アヤメ科の植物。
葉の見た目はしょうぶと多少は似ていますが、これは単子葉植物なら大体似てるので、アヤメに限った話ではありません。
花は美しい紫色をしており、こちらは検索すればいくらでも出てきますね。
ちなみに、目名になっているキジカクシ。
キジカクシ自体はなかなか見かけず耳にもしませんが、キジカクシ目には「アスパラガス」や「彼岸花」なんかの、なじみの深い植物がそろっています。
あ、オシャレな花を咲かせる「ショウブ」には、
- ハナショウブ
- キショウブ
- ノハナショウブ
- etc…
といった種類がありますが、こいつら、全部アヤメ科です。
適当すぎるんだよなあ。
漢字を輸入する時の不手際
さて、見た目も違えば植物学的にも大違い、アヤメとショウブ。
じゃあなんで字が同じやねん、といえば、「昔の人が漢字を読み取りきれてなかった」のが原因という噂。
例えば「菖蒲」という文字と、それっぽい葉っぱがセットになっていれば、
- この葉が生えている植物の事を指した単語なのか
- この葉の形式の事を指した単語なのか
これがまず判らないわけで。
情報の共有も足で行わなければならない時代ですから、認識の統一も図れない。
すると、
- あっちでは葉っぱが菖蒲。
- こっちではアヤメが菖蒲。
- そっちではショウブが菖蒲。
なんてことになる。
1度それが浸透しちゃうと、文化が混じりあった時に、そいつらが混ざるんですよね。
結果、アヤメもショウブも全部菖蒲、なんてことに。
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花札の菖蒲はアヤメ
ちなみに、花札で「5月」を表す花の札。
この菖蒲の読み方は「アヤメ」です。
なまじ菖蒲とも読むものだから、小学生のはとことうちの祖父で、やれ「あやめだ」「しょうぶだ」って言い争いが発生した事もあります。
説明書には「菖蒲」って書いてあるんですよね……。
どんな有識者でも読めない「菖蒲」
以上、どれだけ賢い人間でも50%の確率で読めない「菖蒲」についての記事でした。
漢字テストにおける最強の漢字ですので、触れる機会があれば是非。