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どうも、年中腹ペコ、hkmです。

 

今回は、「懐石」という言葉について。

食事を表す言葉でありながら、「石」という単語が入っている懐石。

懐石、と言われると、どんな料理なのかは想像が付くのに、語源は皆目見当付かず。

 

ってことで、気になったついでに、調べながら文字としてまとめてみました。

起源は茶道より

まず、懐石という料理形態の起源は、日本古来の茶道。

形式に則って行われる茶会において、主催者が来客をもてなすための料理を指しています。

 

茶会に差し支えないよう、控えめな量で。

複数人に提供しやすいよう、1つの器に。

 

あくまで「茶」を主軸とするからこそ、あのような形態で提供されているんですね。

 

「一汁三菜」という言葉は懐石が発祥であり、懐石の原則が一汁三菜なんだとか。

それまでも一汁三菜の文化は浸透していたものの、それを言葉にしたのは懐石、とのこと。

 

語源は暖房より

そして気になる懐石の語源。

これは、石を温めて懐へ抱え暖を取る、懐石という防寒具が由来だそうで。

懐炉の先駆けとも言える道具で、16世紀ごろでは、主流な防寒具だったようです。

 
石っていうもんだから、僕はてっきり石高なんかと関係しているもんだとばかり。

 

で、この「懐石」が料理と結びついた経緯としては、

  • せめてものもてなしを、せめてもの暖である懐石に例えた。
  • 修行僧が、食物の無い環境で客をもてなすために、自らの懐石を渡した。
  • 「被褐懐玉」を謙虚に、かつ俗に「懐石」と言い換えた。

などなど諸説あるようで。

 

定着してしまった以上は、もはや辿る事もできず、完全な由来まではわからないようです。

 

ただ、「会席料理」が同音異義で存在していた事から、そこを語源として、派生するときに「懐石」と言い換えた、というのは統一した考え方みたい。

 

 

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会席料理とは似て非なる

さて、同一の音を持つ「会席」。

わざわざ区別している以上、当然、懐石とは似て非なるもののようです。

この会席と区別をするために、懐石を「茶懐石」と呼称して提供する場も珍しくはありません。

 

会席料理の語源は古く、まさに連歌や俳句を歌う「会席」で振舞われた料理。

まさにそのまま。

 

会席料理も懐石と同じく「一汁三菜」を基としているものの、懐石が軽食であるのに対して、会席料理はガッツリとしたコース料理です。

 

その場その場に応じて、食事の形が変わったということでしょう。

 

 「懐石料理」は間違い

ちなみに、懐石を「懐石料理」と呼称するのは、日本語として怪しい、らしい。

 

というのも「懐石」が、「茶会で提供されるような軽いコース料理」を指す言葉で。

なじみのある方からすると、「頭痛が痛い」と同じような違和感を感じるんだとか。

 

ただこのお陰で、口頭でも「かいせき」と言えば懐石で、「かいせきりょうり」と言えば会席料理を指す、という区別も付くため、ややこしいようでややこしくなかったり。

 

まぁ今となっては、そこまでちゃんと区別してるところも稀だとは思うんですけど。

歴史ある料亭とか、茶室のある場所とかくらいじゃないかなぁ……。