どうも、ディズニーよりはサンリオ派、hkmです。
本日、「かわいい」という言葉についての話になりまして。
ふと思い立ち、言葉の意味から調べてみたら、自分の認識とすこーし違ったのでまとめてみました。
褒め言葉ではなかったらしい
てっきり、「美しい」に似た褒め言葉の部類だと思ってたんです。
愛らしい + あどけない = かわいい
みたいな認識。
ただ、どうやら褒め言葉として使われていた言葉ではなく、誤用や皮肉から、転じてそのまま今の意味に落ち着いた経緯があるみたいです。
本来の意味は「かわいそう」
っつーのも、元は「不憫で見ていられない」という意味だったらしく、意味としては「かわいそう」に近いんだとか。
①深い愛情をもって大切に扱ってやりたい気持ちである。
②愛らしい魅力をもっている。主に,若い女性や子供・小動物などに対して使う。
③幼さが感じられてほほえましい。小さく愛らしい。
④殊勝なところがあって,愛すべきである。
⑤かわいそうだ。いたわしい。ふびんだ。
かわいいに、様態を表す助動詞の「そう」が付いた言葉である、かわいそう。
なんで意味が変わるんかな~なんて思っていましたが、変わっていたのは「かわいい」の方だったんですね。
いや、ちょっとでも真面目に古文の授業を受けていれば、何をいまさらって話だとは思うんですけど。
不憫な相手はいとおしい
さて、「かわいい」における本来の意味が、「不憫」ということになると、この2つには何か共通する感覚があるはず。
それを紐解くには、やはり「いとおしい」という言葉に着目するのが自然かな、と思うのです。
というのも、「いとおしい」という言葉にも、「かわいい」と同様に、
・不憫である
・苦痛に感じる
意味があるんですよね。
どちらかといえば、自分に対して使う場合に生じる意味ではあるのですが、やはり不憫であるさまを表すんです。
①かわいく、大事に思うさま。いとしい。かわいらしい。
②気の毒だ。かわいそうだ。不便だ。
③困ったことである。苦痛に感ぜられる。〔語源は「いたわしい」の母音交替形。一説に、動詞「いとう(厭)」の形容詞化とも。心を痛めるさまを表すのが原義。自己に対しては③ 、他者に対しては① ② の意となる〕
好意がなければ不憫には感じない
かわいいは、不憫である。
いとおしいは、不憫である。
これって、パッと見では矛盾しているように見えるんですけど、よくよく考えるとそうでもないんですよね。
好意を感じた上で、不利益が襲い掛かっているから、かわいそうだ、不憫だ、という気持ちが生まれる。
そうなると、この気持ちの本質的なところは、同じところにあるんです。
……ってところまで書いて、ふと「不憫」について調べたら、かわいい、いとしいという意味もあるそうで。
①かわいそうなこと。気の毒なこと。また,そのさま。
②都合の悪いこと。具合の悪いこと。また,そのさま。
③かわいいこと。いとしいこと。また,そのさま。
僕が勝手に、言葉の意味を勘違いしていただけでした。日本語って難しい。
難しいけど美しい
以上、ふとした拍子に触れた、日本語の難しさについてでした。
ポジティブな感情にも、一縷のネガティブが。
ネガティブな感情にも、一縷のポジティブが。
一枚岩ではない人間の感情を、上手く捕らえている「かわいい」という言葉。
大事なことなので、もう一度言いますけど、やっぱり日本語って難しい。
でも、細かい機微が表現されていて、やっぱり日本語って美しい。
や、美しいから難しいのかな~って気もすっけどね。